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梶原 健*; 池田 佳隆; 関 正美; 森山 伸一; 及川 聡洋; 藤井 常幸; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 45(7), p.694 - 705, 2005/07
被引用回数:60 パーセンタイル:85.7(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて電子サイクロトロン加熱(ECH)を用いた予備電離によるプラズマ電流立ち上げ実験を行った。プラズマ着火時に最大値をとる周回電圧を200kWのECHにより30Vから4Vまで引き下げることに成功した。この時の電場は0.26V/mであり、ITERで必要とされる0.3V/m以下の条件を満たしている。また、予備電離によるプラズマ立ち上げ特性を調べるために、初期封入ガス圧,共鳴位置,偏波角度,入射位置を変えてその依存性を取得した。これまで小,中型トカマクでの実験からECH予備電離でのプラズマ立ち上げ特性は入射位置及び偏波角度に依存しないと言われていたが、大型トカマクにおいては依存性があることを明らかにした。さらに、2倍,3倍の高調波による予備電離の実験では、2倍高調波では800kWのECHによりプラズマ電流は立ち上がり、3倍の高調波では1.6MWのECHに7MWの中性粒子加熱を加えても立ち上がらないことが判明した。
御手洗 修*; 芳野 隆治; 牛草 健吉
Nuclear Fusion, 42(10), p.1257 - 1272, 2002/10
被引用回数:10 パーセンタイル:30.32(Physics, Fluids & Plasmas)ITER-FEAT級サイズのトカマク核融合炉において、センターソレノイドなしで非誘導電流駆動,外部加熱,垂直磁場によってプラズマ電流を立ち上げるシナリオについて検討した。100MWの加熱電流駆動パワーと核融合出力500MWの場合,8MA程度までプラズマ電流を立ち上げ可能なことが明らかとなった。さらに、過去に行われたJT-60でのオーミックコイル電流一定時にNBIを入射した実験データを解析したところ、プラズマが加熱され、外側に広がろうとするのを垂直磁場により位置平衡をとる際に供給される磁束によってプラズマ電流が増大することが明らかとなった。以上のようにJT-60の実験結果により、トカマク炉では垂直磁場によりプラズマ電流を駆動できることがわかり、将来の核融合炉の新しい運転シナリオが提示された。
Polevoi, A. R.; 西尾 敏; 牛草 健吉
JAERI-Tech 2000-001, p.16 - 0, 2000/01
中心ソレノイドコイルを排除した非誘導電流駆動方式による定常炉、改良型A-SSTRを対象に立ち上げシナリオの検討を実施した。主要な課題は初期プラズマの生成から500kA~1MA(定常プラズマ電流の5~10%)程度までプラズマ電流を立ち上げることの可否である。ソレノイドコイルを排除しても1Vsに満たない僅少の磁束供給は期待できることから、完全非誘導方式による場合と僅少の磁束供給が期待できる場合の両ケースについて立ち上げシナリオの検討を実施した。磁束供給を考慮する場合は4Vを0.1秒間プラズマに与え、3MWのECH予備電離・加熱の条件の下に10ms程度で放射損失バリヤーを乗り越えることが示された。一方、磁束供給がない場合でも初期プラズマの生成が可能であることが示された。この場合、外部から操作できるパラメータは加熱入力パワーのみであるため、立ち上げシナリオの構築は容易ではないが、輸送方程式と条件1の両方を満足する温度、密度及び電流を刻一刻設定することで初期プラズマの生成シナリオを構築した。この場合もECH予備電離・加熱のパワーは3MWである。双方とも、初期プラズマの生成からプラズマ電流2.0MA程度までECHによって立ち上げる場合の必要となる時間は約2000秒となった。中心ソレノイドコイルがなくてもプラズマの立ち上げは可能であることが示された。
小泉 徳潔; 高橋 良和; 辻 博史; 島本 進*
低温工学, 34(8), p.395 - 403, 1999/00
素線間にクロムメッキ等による高抵抗層を有する撚線導体内では、電流偏流のために、一部の素線が過剰電流を流す。分布定数回路を用いて、この電流の常電導転移後の挙動を解析した。その結果、過剰電流は10-100msで減衰することがわかった。また、導体中心で常電導転移したときは、端部にその影響が伝わるまで数秒かかることもわかった。このため、導体中央部で常電導抵抗が減少すると、過剰電流が増加する。ゆえに、過剰電流を流す一部の素線からの常電導転移が、導体クエンチを起こしうることが確認できた。
芳野 隆治; 関 正美
Plasma Physics and Controlled Fusion, 39(1), p.205 - 222, 1997/01
被引用回数:38 パーセンタイル:74.97(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて、ヘリウム初期ガスとLHRF加熱を併用することにより、0.08V/m(1.7V)の低電圧(低ループ電圧)でのプラズマ着火を達成した。1.5~3.010Torr(2-410Pa)と低い初期ガス圧にもかかわらず、逃走電子は発生していない。LHRF加熱では、初期電離を起こしていないが、放射障壁を通過する時間を短くし、それにつづく30kA以下でのプラズマ電流立上げを安定化した。その結果として、35kAから1MAまで、1.8V以下で、0.2MA/sの電流立上げを実現した。ヘリウム初期ガスは、プラズマ着火電圧を低減するとともに、プラズマ着化を安定化するため、ITERの着火条件を緩和するのに有効である。
小泉 徳潔; 高橋 良和; 西 正孝; 礒野 高明; 辻 博史; 小野 通隆*; 浜嶋 孝*; 藤岡 勉*
Cryogenics, 37(8), p.441 - 452, 1997/00
被引用回数:30 パーセンタイル:78.57(Thermodynamics)クロムメッキ素線からなる導体内の電流分布を解析した。ジョイントおよび素線の電気的接触を介して循環電流が発生することがわかった。これらの循環電流は、励磁速度が速くなると大きくなる。一方、励磁中に常電導転移した素線にも、引き続き循環電流が流れることが示された。これらの結果は、Ramp-rate limitationをよく説明するものである。また、実験結果から、電流分布の不均一がある場合は、安定性が劣化することが分かった。ただし、電流分布不均一よりクエンチに至るためには、導体内の冷媒流に層流域が発生する必要がある。このような層流域はパルス励磁時のACロスによって発生する。
小泉 徳潔; 高橋 良和; 加藤 崇; 辻 博史; 小野 通隆*; 浜嶋 高太郎*; 高安 誠*
Proc. of 15th Int. Conf. on Magnet Technology (MT-15), p.453 - 456, 1997/00
励磁速度依存不安定を示したUS-DPCの導体内電流分布の解析を行った。本解析では、素線間の接触抵抗が重要なパラメータとなる。そこで、短寸US-DPC導体を用いて素線間接触抵抗の測定を行った。本測定結果を用いて、偏流解析を行った結果、偏流の大きさが励磁速度に依存することがわかった。これにより、励磁速度依存不安定性が導体内の電流分布の不均一に起因するものと考えられる。
芳野 隆治; 西尾 敏; 新谷 吉郎*; 杉原 正芳
JAERI-M 91-049, 15 Pages, 1991/03
ITERにおけるプラズマ形状制御について評価している。まず、プラズマ形状制御アルゴリズムとして多変数非干渉制御法を提案するとともに、フィードバック・マトリックスゲインを導出する上で重要な、ポロイダル磁場コイル電流と制御変数の関係式を評価した。次に、着火直後の早い時期におけるプラズマ水平位置制御について検討を行い、1MA/sのプラズマ電流立上げを得るには、20kVのポロイダル磁場コイル電源と真空容器内設置をコイルにより、垂直磁場を立ち上げる必要のあることを示した。